テレ娘。

「テレビで見かけた娘。さんたち」 略して、テレ娘。 テレビ好きの目線から、画面に映った娘。さんたちについて触れます。

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『FNSうたの夏まつり』新生モーニング娘。に対するフジとマツコの優しい配慮

『FNSうたの夏まつり』新生モーニング娘。に対するフジとマツコの優しい配慮 - テレ娘。
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7月31日、フジテレビ系列『FNS歌謡祭』の夏バージョンである 『FNSうたの夏まつり』 に出演。4時間ぶち抜きの大型番組です。れいな卒業から早2ヶ月半、新生モーニング娘。の大型歌特番の出演が立て続けに実現し、いよいよ波にノッてきました。


ただし、出演には背景があり、48グループのコンサートと重なったことによる言わば「補欠」としての参加であるということと、フジテレビがa-nationとタッグを組み、コンサート会場を提供する代わりにavex系から多数出演する番組であり、番組のメインキャラクターのももクロmiwaによる「miwaクロ」や看板であるSMAPEXILE(およびTRIBE)、更には通常の音楽番組できくちP率いる「音組」が御用達とするアーティストらも一堂に会するため、今回久々にゲスト参加するシャ乱Qモーニング娘。は末席に控える外様の立場にあるわけです。


従って、歌手同士のコラボが企画の基軸とはいえ、「まあ、一曲歌っていってください」程度の出演であろうと覚悟していたところ、妙な知らせが。

番組公式サイトに、サブタイトル原稿(テレビ欄の原稿)が掲載され、その中に確かに「モー娘をマツコが応援」とあります。かねてより支援の言葉を投げかけてくれるマツコ氏といよいよ共演が実現する!と、にわかにTLが色めき立ちます。(参考: 『5時に夢中!』でのマツコ・デラックスによるモーニング娘。評(書き起こし) - テレ娘。 『5時に夢中!』でのマツコ・デラックスによるモーニング娘。評(書き起こし) - テレ娘。



しかし、実際には、もっと大きな仕掛けが用意されていました。以下は、CM明けの司会者席でのやり取り。

草なぎ剛マツコさん、『FNSうたの夏まつり』の雰囲気はいかがですか?
マツコ・デラックスやっぱ、ここが芸能の本丸なんだなっていうね。
草なぎ: そうですねえ。
マツコ: 今まであたしたちがいるようなところは、芸能じゃないってのがもうよく分かりましたよ。
草なぎ: マツコさんの隣にいて、すごく熱を感じます。
マツコ: 暑いでしょ?(笑)
草なぎ: 皆さんの熱が伝わってるのか。
マツコ: 綺麗に言うわねえ、ホントに。
草なぎ: ありがとうございます。
マツコ: いえいえ。
    ------ ここからが本題 ------
草なぎ: マツコさんは色んな幅広い音楽を聴かれてるそうなんですけど。
マツコ: はいはい
草なぎ: あのぉ……どうですか? ※たぶん、つよぽんの頭から一瞬「モーニング娘。」が飛んじゃったw
マツコ: ちょっ…と…(笑)
草なぎ: も、モーニング娘。がお好きだと聞きましたよ。
マツコ: モー娘。好きですよ、ええ。
加藤綾子カトパン): あの、大絶賛されているというねえ事なんですけど
マツコ: なんかぁ~、歌の、歌詞の中にあたしの名前を文字ってるのが入ってるのよ。この人、この人が作詞したんだけどぉ。 ※評論のプロなので、おいそれとベタ褒めはしません。
    
カトパンつんく♂さんですね。
マツコ: どういうことなのか、ちょっと訊いてよぉ。惨めな女みたいな書き方してるのよ、この人が。
草なぎ: FNS27時間テレビでも歌を歌われるということを伺いましたけど。(唐突に番宣に入る)
マツコ: それ聴くの? いや、だからさっきアッコさんとこ行って謝ってきたわよ、ホントに。ゴメンナサイ歌わせて頂きますって。
草なぎ: 皆さん期待してますんで、頑張ってください。*1
マツコ: ありがとうございます……。
カトパンさあ、マツコさん、そろそろ曲の方に行ってもいいですか?
マツコ: はい、どうぞどうぞ。
カトパンでは、参りましょう。モーニング娘。のみなさんのスペシャルメドレーです。どうぞ!


実は、この週末に恒例の『FNS27時間テレビ』が待っており、その出演者に名を連ねているマツコは番宣ゲストとして出演が決まっていたものと思われるのですが、『Help me!!』の歌詞に「待つ子ミジメックス」のフレーズを入れていたことから、作詞のつんく♂プロデューサーに説明を求めるというやり取りを繰り広げたのです。

これには理由があります。





名曲披露の場に新人を招き入れる仕掛け


そもそも、通常の歌番組とは異なり、日本国民が聴きたい曲を披露する番組です。一時期の低迷・迷走により、数年前は豪華ゲストが懐メロ映像を延々と4時間見守る番組となりましたが、世代やジャンルを超えたコラボを巧みに用いて、過去の名曲を今どきの歌手が歌う番組に生まれ変わって再評価を受けるようになりました。それが今のFNS大型歌特番の姿です。
おそらく、槇原敬之はパートナーを変えながら一生『どんなときも』を歌い続けますし、カールスモーキー石井も『君がいるだけで』を歌い続けます。それがこの番組でのステータスです。同様に、本来ならば モーニング娘。は『LOVEマシーン』を披露し続けることが名誉なのです。

しかしながら、卒業・加入を繰り返す特殊なメンバー構成であるため、今のモーニング娘。の歌を披露できなければゲストとして呼ばれる意味があまり無い。そこで、国民的に知られている曲はまだ無くとも、人気が昇り調子の今 チャート1位を獲得した曲に工夫をこらして、みんなが聴きたいと思える「理由」を作り出します。




書き起こしてみると分かるのですが、とてもきちんとした台本なんですよね。お茶の間に向けて、「最近のモーニング娘。がマツコの名前を歌詞に入れた曲を歌ってるのでお聴きください」という案内となるよう寸劇を入れているのです。

「今回はアドリブが一切なかった」(中居くん談)というつよぽんと、与えられた設定を忠実に守るマツコ、更には台本通り進めるのがお仕事である局アナのカトパン(マツコとレギュラー番組で共演中)により、ごく自然な形で 「国民に知られてない曲」 を 「ちょっと聴いてみたい曲」 に変えることに成功しました。

今回の放送ではこういったMCトークを混じえるのかと思いきや、凝った演出はココだけでした。ノンストップで歌披露して、時間内にどれだけ曲を詰め込めるかをウリにしている番組で、大変ありがたい配慮だったと感じました。


いや、それにしても このショット……ホントに好意的過ぎるくらいでビックリしちゃいますね(笑)




【追記】読み返してみて、「理由を作る」とか「台本」とか、やらせ的なものだと勘違いされたらどうしようって思ったり……(^_^; でも、この表情は台本じゃできないですよ~♪






*1:フジテレビのバラエティからはもちろん、『僕らの音楽』で口パクの是非についてコメントをしたり、そして今は娘。ファンからも。局の内外の各方面から期待されていることを考えたら、深い一言だなあと思いました。