テレ娘。

「テレビで見かけた娘。さんたち」 略して、テレ娘。 テレビ好きの目線から、画面に映った娘。さんたちについて触れます。

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第13回ハロプロ楽曲大賞'14 投票

第13回ハロプロ楽曲大賞'14 投票 - テレ娘。
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今年も締め切りギリギリになりました。

第13回ハロプロ楽曲大賞'14 第13回ハロプロ楽曲大賞'14

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以下、カウントダウン形式で曲名と選考理由をば。尚、投票時のコメントに加えて楽曲レビューやグループの背景などについて考えたことを文章にしています。

※ワクで囲った【選考コメント】が、楽曲大賞サイトにエントリーする際に添えた選考理由になります。

 

 

楽曲部門

 

第5位 伊達じゃないよ うちの人生は/Juice=Juice 1.5pt

伊達じゃないよ うちの人生は

伊達じゃないよ うちの人生は

  • Juice=Juice
  • J-Pop
  • ¥250

 

心の内のジレンマを強い曲調に乗せて伝える、若く勢いのあるグループにふさわしい楽曲。彼女たちが持つ力を最大限に引き出していると思う。というのも、モーニング娘。'14秋ツアー武道館公演でのオープニングアクトで聴いて、目から鱗が落ちる思いであった。力強い歌声とダンスを遠く離れた奥の席まで届かせようと、会場のサイズに臆すること無く溌剌と表現し完全に場の空気を掴んでいて(という様子を客観視しやすい横から観る1階スタンド席だったのも幸いだった)、すっかり自分の中でのJuice=Juiceの印象は上書きされた。

これはタブーなので触れるべきではないが、個人的に大塚愛菜が抜けるまでは、宮本・高木・大塚の3トップによる超攻撃的な布陣がこのグループの特長になると思っていた。デビュー直前の離脱によって、宮崎・金澤の声を活かしたクールなグループとしてスタートし、その結果は成功であったと言えるが、そうであってもクールな様子を見ながら時折自分の中で「たられば」の思いが見え隠れしてしまうことがあった。しかし、武道館の舞台で目の当たりにしたのは横一線に並んだ全員攻撃の力強さで、自分が勝手に足りないと思っていたものがすっかり補われていたのだとよく分かった。

ハローのメンバーはライブで力と自信をつけていく。日々のステージで勝負するにあたり、クールさだけでなく強さも伝えられる貴重な武器が授けられたのだと深く思い知るに至った。

【選考コメント】
心の内のジレンマを強い曲調に乗せて伝える、若いグループにふさわしい勢いのある楽曲。娘。武道館のOAで観た時に、5人が横一線に並んでぶつける攻撃力が非常に力強く、会場のサイズに臆せず場の空気を掴んでいたのが印象的でした。クールなJuice=Juiceももちろん良いのだけど、日々のステージで全力で向かうカッコ良さが見せられる強力な武器となる楽曲。

 

 

第4位 Love take it all/℃-ute 1.5pt

心の叫びを歌にしてみた/Love take it all(B)

心の叫びを歌にしてみた/Love take it all(B)

 
Love Take It All

Love Take It All

 

分かりやすくカッコイイ作品。今年のハロプロの中で「対世間」という視点において、最も伝わりやすい楽曲(つんく♂Pに多く見られる、いわゆる「スルメ曲」の対極に位置するもの)だったと思う。「アニメっぽい」という声も聞かれたが、現在の音楽シーンの中でアニソンは、名だたるクリエーターが製作に参入し、クオリティも非常に高く、多くの作品が世界中の人々に支持されている。もしその中に並べられたとしたら、幅広い評価を受けるのはこれだったのではないか。疾走感を与える曲調にのせて、全員で回すパート割りやシンクロ度合いを見せるダンスからユニゾンのサビに至るまで、彼女たちに求められる「カッコ良さ」を全編通して見ることのできるこの楽曲は、今の℃-uteらしさが詰まっており、『Danceでバコーン!』『Kiss me 愛してる』に続き、より洗練された名刺代わりとなる一曲だと感じた。

少々打算的な考え方になるが、個人的にこれから先の℃-uteの活動の上での至上命題はおそらくヒット曲を出すことだと思っている。それは活動停止を決めたBerryz工房の10年のキャリアの中で唯一欠けていたものがヒット曲であり、逆にヒット曲があればBerryz工房は活動に余裕を持つことができ、個々の活動と並行させることも可能であったのではないか……そんな複雑な思いでいる。そういった面で、売上の「記録」の話ではなく、世間の認知という「記憶」に訴える上で、今の℃-uteを最も分かりやすくアピールするこの楽曲は一つの試金石であったように思う。

また、この楽曲がライブで歌われる際、マイクを持ったパフォーマンスを見ると、ダンスよりも歌に比重が置かれているように感じた。歌唱の面で更に成長していく様子も見られるのではないかと思う。「次の扉開けば 未来が見える」の歌詞にある通り、今後の活動の中で、武道館から更に上を目指す℃-uteのブレイクスルーに寄与する一曲として、来年以降どのように披露されていくか注目したい。

【選考コメント】
分かりやすくカッコイイ。今年のハロプロの中で「対世間」という視点で最も伝わりやすい(いわゆる「スルメ曲」の対極に位置するもの)楽曲だったと思います。疾走感を与える曲調にのせて、全員で回すパート割りやシンクロ度合いを見せるダンスからユニゾンのサビに至るまで、彼女たちに期待される「カッコ良さ」がふんだんに盛り込まれていた、今の℃-uteの名刺代わりとなる一曲。「次の扉開けば 未来が見える」の歌詞にある通り、今後の活動の中で、更に上を目指す℃-uteのブレイクスルーに寄与する一曲として来年以降はどのように披露されていくか楽しみです。

 

 

第3位 エイティーン エモーションスマイレージ 2.0pt

 

ロックの爽快さ。ロック曲は何らか意思を通そうとする者が歌うことで、そのカッコ良さに磨きがかかる。今年のスマイレージのグループとしてのテーマは「逆転」「リベンジ」「再生」みたいなところに集約されると思うが、過去にも、モーニング娘。さくら組に対するおとめ組『愛の園』や、Berryz工房に対する℃-uteの『まっさらブルージーンズ』など、カウンターを食らわそうとする者たちの意気込みを後押しする印象的なロックナンバーがいくつもリリースされてきた。

この曲は、18歳を迎えた少女が再度奮起しようとする具体的な様子を描いているが、それがそのままスマイレージのこれまでをなぞる。グループの長いストーリーとして、「15歳」で夢を見た少女たちが「エイティーン」で自分を省みて再度奮起しようと立ち上がる……そんな等身大の彼女たちともシンクロして、それを持ち前の明るさを持って歌い飛ばしている様子は痛快だ。

いわゆるつんく♂歌唱と言われる「拭いた(ん)」「やだもん(ぬ)」「キョんなんで本当にウィいのかな」といった特徴的な歌いまわしを忠実にこなす彼女たちは、実に作り手の注文に対して素直だと思う。長らく「つんく♂の申し子」として忠実に従ってきたBerryz工房の活動停止後、個性的なグループカラーを引き継ぐのはおそらくスマイレージであろうと目する声も多いが、改名して新しい風に乗ろうとする彼女たちは、これまでの自分と「おさらば」して、先輩グループとも過去の4人体制とも異なる全く新しいオリジナルの色をつかむ旅に出る。だからこそ、先日のモーニング娘。'14横アリ公演のオープニングアクトで、3期を交えた9人がこの曲でスタートしたことは非常に象徴的で意味のある出来事であり、船出の歌として大切に歌い続けて欲しいと思う。

【選考コメント】
楽曲の18歳を迎えた少女が再度奮起する様子を描いた歌。思いのたけをロック調で「負けるもんか」と語るカッコ良さとスマの持ち前の明るさが合わさって魅力を感じます。スマイレージの物語として、「15歳」で夢見た少女たちが「エイティーン」でリセットして立ち上がり武道館で見返してやろうとする様子に重ねて見えました。また、新しく船出することに決めた今の状況にもシンクロしています。だからこそ、娘。横アリ公演のOAで3期を交えた9人がこの曲でスタートしたことは非常に意味のある出来事だったと思います。

【参考】

 

 

第2位 What is LOVE?/モーニング娘。 2.0pt

What Is Love?

What Is Love?

 

お正月に出演したどっきり番組で必死に歌い踊る様子を観て、率直に嬉しくて心踊った。感想をブログに書く際に、「BPM180でデジタルサウンドが突っ走る強力ダンスチューン」と説明したのだが、若いメンバーのひたむきさが実に色濃く出たこの作品とともに、正に今年のモーニング娘。は全速力で駆け抜けた。YouTube公式チャンネルに上がったキャッチフレーズも「やり切る。走り切る。」であり、道重リーダーのもと、忠誠心の強い彼女たちは実に真摯に有言実行に向けて取り組んだ。愛を語る歌詞であったり、デジタルサウンドのキレであったり、思い入れたっぷりに聴かせる歌謡曲的なサビであったり、彼女たちらしさが詰まったこの曲はコンサートやテレビ出演の中でも度々彼女たちを支えた。

また、つんく♂Pが『J-MELO』と視聴者とともに、自身が常々こだわっている「愛」のあり方を世界中の意見を交えてブラッシュアップしたのも面白い試みであった。その結果導き出された、「たった一人を納得させられないで世界中口説けるの」という問いかけが、メンバーの活動の心得となったことは、世界のファンとともに歩を進める新しいモーニング娘。の土台を作った記念の作品であると言える。

【選考コメント】
BPM180でデジタルサウンドが突っ走る強力ダンスチューン。全速力で駆け抜けたモーニング娘。'14のスタートダッシュを飾った楽曲。新春どっきりで必死に歌って踊る様子が率直に嬉しくてワクワクしました。また、つんく♂Pがとりわけこだわる「愛」のあり方を世界中のファンとブラッシュアップしたのも面白い試みで、結果、「たった一人を納得させられないで世界中口説けるの」という問いかけが、メンバーの心得となったことは、世界のファンとともに歩を進めるモーニング娘。の土台を作った記念の作品であると言えると思います。

【参考】

 

 

第1位 永久の歌/Berryz工房 3.0pt

永久の歌

永久の歌

 

最後の曲は彼女たちらしい軽快なロックポップに仕上がった。全編通して非常に聴きやすく、AメロBメロを経てサビの中で半音上がる盛り上がりの部分まで全て引っくるめてスッと頭に入ってくる。その音楽に乗せた歌詞が発信するメッセージは、彼女たちにとってデビュー当時も今も歌に対して夢見る思いは変わらないのだということ。悩んだり苦労したり色々とあったけれども根っこの部分は一貫していたのだと訴えている。歌い続けた10年分の思いと彼女たちの譲らぬ高いプライドがこれでもかと詰まった作品だ。

この楽曲を聴き重ねる中で、PRINCESS PRINCESSの『世界で一番熱い夏』を思い出した。当時のガールズバンドの多くが青春のイチ場面を切り取って見せたのと同様、グループ活動がまさに青春そのものであったBerryz工房の思いを真正面から歌い上げるこの正統派なロックポップには何か通じるものを感じる。プリプリとともに過ごしたかつての少女たちは今でもカラオケでプリプリを歌い、駆け抜けた青春に思いを馳せる。Berryz工房の活動もいったんは止まるけれども、駆け抜けた彼女たちの歌声の記憶は、おそらくこの楽曲とともにファンの心の中で永久に止まることはない。正に有終の美にふさわしい楽曲である。

夢を与えるのがアイドルの仕事だとすればBerryz工房は間違いなくアイドルのプロ集団だ……活動停止の発表を聞いてこのようにブログで説明した。彼女たちが歌う、「奇跡ってあり得るって 最後まで分からないって 本当さ」というフレーズもまた夢のような話だと思う。しかし、ラストシングルとしてリリースされたこの楽曲は、これまででは考えられないほどの売上を残した。エモーショナルな意味合いが非常に強く、最後のホールコンサートとなった先日の仙台公演では途中で泣けて歌えなくなったという。記録にも記憶にも残る一曲となった。売れたのは単にラストシングルだからというだけではなく、素晴らしい曲を彼女たちが気持ちを込めて歌った結果であり、正に彼女たちとファンとによって【奇跡】が成し遂げられたのだと思う。

【選考コメント】
彼女たちらしい軽快なロック・ポップ。全編通して非常に聴きやすくスッと頭に入ってきて、歌詞も、悩みながらも歌うことの楽しさは一貫していたのだと訴えていて、セールス実績も含めて、正に彼女たちが最後に答えを出したと感じられた一曲。この楽曲を聴くとプリプリの『世界で一番熱い夏』を思い出します。当時のファンが今でもプリプリを口ずさむように、Berryz工房の活動が一旦止まっても、ファンの記憶の中ではこの楽曲とともに永久に歌われ続けるであろう、正に有終の美にふさわしい楽曲。

【参考】

 

 

完全に楽曲の傾向の偏った5曲となってしまいました。しかも、各グループのシングル曲から1つずつという選び方も実に平凡です。しかしながら、今年のハロプロ全体に広がる【時代の節目】のようなバックグラウンドを踏まえると、ついつい何かに向かって突き進む疾走感を色濃く見せる楽曲に目が行ってしまいました。元気をもらいながらどこか泣けてくる。今年はそういった楽曲を選ばないと後悔してしまう気がして、思ったままに抽出した楽曲を選考結果としてそのまま並べることにしました。

尚、次点は、手元の一覧にチェックを入れたものを並べます。こちらは逆にクセのあるものが含まれています。でも、今年はセミファイナルに残るものが少なかったかも。。

 

次点

  

 

 

MV部門

 

第3位 The Power/℃-ute 0.5.pt

単純にどれが好きかという【好み】で選ぶとコレ。アジアンリゾートのロビーの一角にでもありそうなセットで、まるで旅行先にいるかのように異国情緒を違和感なく再現している。迫力あるダンスを十分楽しむと、サビパートでメンバーの顔が散りばめられた曼荼羅模様のアニメーションが現れ、神秘的な世界観に見事溶け込む。メンバーが描かれた曼荼羅が奥行きを持って連なる様子は、この先の℃-uteの可能性を物語っているように感じる。

そもそも、デジタルサウンドにダンスを融合させるクールさをしばらく押していた℃-uteだけれども、この楽曲が存在することで、バリエーションの幅のあるグループだと証明できたように思う。その大事な緩急をつける部分で、昨年来こだわってきたMV映像のレベルを落とすわけにはいかなかった。この映像が用意されたことで、℃-uteの引き出しの豊富さを証明できたのではなかろうか。

いつの頃からか、個人的に℃-uteについて、モーニング娘。プラチナ期の夢の続きを追うような存在として見て取るようになった。当時、『気まぐれプリンセス』のように異国を匂わすMVは存在したが、昨今のハロプロのMV動画の力の入れようも相まって、よりリアルに再現されたことにより楽曲作品の厚みが増したように思う。とりわけ映像に力を入れる℃-uteならではのこだわりが感じられた。

【選考コメント】
単純にどれが好きかで選ぶとコレ。異国情緒を違和感なく再現し、迫力のあるダンスを十分楽しめるとともに、サビパートではメンバーの顔が散りばめられた曼荼羅模様のアニメーションが神秘的な世界観に見事溶けこんで面白い。また、曼荼羅が奥行きをもって連なる様子は、この先の℃-uteの可能性を物語っているようにも感じます。この楽曲とこのMVがあったことで℃-uteはクール一辺倒ではないのだと証明できた気がします。

 

 

第2位 I miss you/℃-ute 2.5pt

ダントツで【最優秀技術賞】。この動画の秀逸な点は、一にも二にも、ギミックに富んだ楽曲の特徴を忠実に再現している点にある。鈴木岡井組、中島萩原組、そして矢島、それぞれの「反抗」「本音」「自責」と複雑に入り組む思いが多面的に語られる様子を、3つの映像ストリームに分けながらマルチウインドウで同時に映し、見事並行して伝えていく。今に至る経緯の説明を「歩く」という行為で表しており、移動する間は時間軸を追うように悩みを説いていくのだが、やがてBメロで気持ち的に立ち止まりサビで今と未来に思いを巡らせる場面では「踊る」という行為に切り替わる。それを経て、更に移動した先の部屋で一つのテーブルを囲み、様々な自分が頭を突き合わせて省みた結果、ようやく主人公の少女は本当の思いにたどり着く。それがタイトルの「I miss you」だったのだ。そうして、何故寂しいのか何故不安なのかという自問の答えを見つけた彼女たちは、心の内を清算するように5人揃って踊る。悩める少女の心の変化の顛末が映像でも伝わる仕掛けになっているのだ。

昨今の「この○○がすごい大賞」といったような小説や漫画や映像のコンテストで高く評価される作品(例えば、『告白』『桐島、部活やめるってよ』など)は、ほとんどが布石やマルチ展開するシナリオ群を回収していくキレ味や痛快さに重点が置かれている。つまり今どきの評価は「すごい≒物語の回収」であることが非常に多いのだ。この映像も、カメラを回しっ放しにしたワンシーンの中で並行した物語を完結させており、非常に技術点が高く、正に「すごい」映像であることは間違いない。

【選考コメント】
この動画の秀逸な点は、一にも二にも、ギミックに富んだ楽曲の特徴を忠実に再現している点。鈴木岡井組、中島萩原組、そして矢島が、「反抗」「本音」「自責」といった異なる思いの同時進行を、3つの映像ストリームを別窓で映すことで見事に伝えています。また、経歴の説明を「歩く」という行為で表し、彼女たちが移動を続けることで少女の葛藤を時間軸を追って見せる効果を持たせているのだけど、やがて一つの部屋に集まって異なる思いを突き合わせて省みることで、正直な思いにたどり着きます。そこで初めてタイトルにある「I miss you」という答えの意味が分かる仕掛け。マルチのシナリオが回収される様子は、布石回収が気持ち良い今どきの推理小説の読後感に似ていて、お見事としか言い様がないです。

 

 

第1位 1億3千万総ダイエット王国/Berryz工房 3.0pt

一つの【抽象芸術】として最も印象に残ったのがこの映像。映画『CUBE』を思わす無機質な立方体の空間の中で、メンバーたちが淡々と何かを主張している。リフレインするデジタルな歌唱に合わせて口元のアップのフラッシュ映像が繰り返されると、何かの洗脳映像の様にトリップしそうになる。ここからは自分の勝手な解釈なのだが、この映像の中の彼女たちは、意思は持つがヒトとは異なる何かになりきっているように見える。具体的に、無機質な空間を脳内の世界に例えて、ドーパミンノルアドレナリンといった神経伝達物質を演じているように見えた。それらが日々の具体的な出来事を思いながらどうするべきかと悩む度、固まったり揺れたり主張したり、そういった葛藤を歌とダンスで表現している。人には個の中に本音と建前があり理性があり欲求があり、様々な自分の意思が互いにせめぎ合う中でそれらを調和させて日々を過ごす。そんな脳内会議の様子を描いていると捉えると、彼女たちのパフォーマンスを切り取った映像は実に秀逸であった。

楽曲や衣装やMVの雰囲気が『WANT!』に似ているという意見が多く聞かれたが、一つ大きな違いがある。これまでの楽曲は女子として「(自分たちが)何かをしたい」と意思表示してきたのに対し、この楽曲はダイエットの是非に疑問を呈し「(他者に対して)こうしたほうがいい」と問題提起をしている。このMVを見た時はまだ活動停止を発表する前だったので、結成10年を迎えたBerryz工房の新しい役目は、つんく♂Pの代弁者としてオピニオンを発信する役割を担うことなのだろうと考えていた。結果、オピニオンのオーナーであるつんく♂Pが病気療養を余儀なくされ、オピニオンのリーダーとなるはずであった彼女たちも御役御免となったが、両A面のもう一方の『大人なのよ』よりもよっぽど彼女たちの大人としての役割を想起させられる映像作品であった。

【選考コメント】
抽象芸術として最も印象に残りました。映画『CUBE』を思わす立方体の空間や口元のアップのフラッシュ映像は何かの洗脳映像の様。勝手な解釈ですが、彼女たちを脳内で働く神経伝達物質に例え、擬人的に葛藤を戦わせる脳内会議を描いているように見えました。それを歌とダンスのパフォーマンスで表現しているのです。そうすると、揺れる思いや調和をとる場面に説明がつくのです。この曲は『WANT!』に似ているという声があったけれど、「(自分が)○○したい」というスタンスから「(誰かに)○○すべき」と問題提起するように変わったという点で大きく異なります。曲の意味合いから(活動停止発表前だったので)10年を迎えるベリはつんく♂Pの代弁者として意見を発信するグループになっていくのかなあとリリース当時は期待していました。

 

 

昨年来、MVの技術点は、完全に℃-uteが頭ひとつ抜け出ています。しかし、技術は楽曲の芸術性を表す一つのファクターに過ぎないと思うんですよね。結果、自分の中でBerryz工房が伝えたメッセージ性を上手く表現した(と自分の中で解釈しただけですけれども)『~ダイエット王国』を1位に選ぶに至りました。この「技術 vs 表現力」という関係性は、そのまま「℃-ute vs Berryz工房」というグループ自体の特長や周囲の評価に置き換えることが出来て面白いなあと思いました。

こちらも次点を並べますが、こちらは映像自体よりも、映像から受け取るグループの物語性が伝わるものが多いです。

 

次点

 

 

 

推しメン部門

 

鈴木香音

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3年連続の選考。今年は一年通じて素晴らしい逆転劇を見せてくれました。「グループの一番上だから…」とか「CBCで長年続けてきたハロプロラジオだから…」とか、立場や体裁を気にしがちなタイプですが、自分が楽しんでいる時にこそ独自の魅力があふれる、つんく♂Pが見出した「素材」の人なので、思うがままにやり切って欲しいですね。

※選考コメントは同じ。

【参考】

 

 

 

総評

 

時代の節目となった今年、記念の楽曲を一つ一つピックアップしていたらキリがないと思っていたのだけど、選び始めると、昨年よりも候補はすぐに絞れてしまいました。やっぱりつんく♂P不在の年、リリース数の面で弱いのは致し方ないのかなあとちょっと寂しい気持ちがします。この状況は未だ解消されていないので、もしかしたら来年は、すでに予定されている℃-uteの企画曲のように他のプロデューサーの楽曲も入ってくるので、つんく♂Pの曲を選んだだけで自ずと絞られてしまう……なんて事態もあるかもしれません。

とはいえ、一方で、エモーショナルな内容に泣かされる機会が非常に多くあったのも事実。グループの今ある立ち位置にフィットした楽曲の威力を感じました。

 

 

【過去の投票】

 

 

 

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