高橋愛だからこそ知るモーニング娘。9期
以下の内容は、2014年12月29日放送の『モーニング女学院~放課後ミーティング~』を聴いて、九割方おととしの年末年始に書いていたものです(なので、一部感覚的に古い部分があるかも)。今更ではありますが、今後の記事の引用資料として、体裁を整えてpostします。
12月29日、「モーニング娘。'14」として最後の『モーニング女学院~放課後ミーティング~』は、9期4人がゲストに加入当時のリーダーである高橋愛を迎えるという幸せいっぱいの放送となりました。
その内容は、愛ちゃんがひたすら9期について語るというもの。育ての親ならではの貴重な言葉が数々聞かれたので、そのまま書き起こしたいと思います。
譜久村「ここから、高橋さんに9期メンバーについて話してもらおうと思います。」
高橋愛から見る生田衣梨奈
譜久村「では、高橋さん。まずは私、譜久村について、お願いします。」
鞘師「なんか緊張するね。」
高橋「フクちゃん、最後にします。リーダーだからね。」
生田「ああ……そうでしょう……」
高橋「なんなの!?(笑) 生田なんなの?さっきから!」
譜久村「イクター」
鈴木「イクターにしましょう。」
高橋「生田、別に無いんだよね!(笑) 」
9期「あーははははは」
鈴木「出ましたね(笑)」
高橋「なんだろうねえ、結構言っちゃってるもんねえ」
生田「そうですね、結構……」
高橋「本人にはよく言っちゃってる。まあ、さっきも言ったけど。なんだろうねえ、新垣さんじゃなくてゴメンねー」
9期「だぁ~、あはははは」
生田「よく言われます~」
高橋「よく言われますって(笑) よく、ねえ、上がってくるんだよね。上がってくるっていうか、ねえ、ブログだったりとか。新垣さんトコ行ってんのに、うちには全然来ないなあみたいな(笑)」
譜久村「確かに。」(ぼそっと)
高橋「同期ってつながりだけで許して、今日は。」
生田「いえいえ、高橋さんも大好きです。」
高橋「嘘つけー!(笑)」
全員「あはははは」
高橋「こう信ぴょう性がないんだよねえ、いっつも!」
鈴木「同期でも感じますもん、そういうの。」
高橋「あはは、思われてるよ(笑) でもなんかさっき、ね、ご飯して、ちょっと移動してる時にも、なんか、『えりぽんは、なんか話聞いてるようで聞いてないよね』って話になったんだけど、聞いてないようで聞いてないよね(笑)」
鈴木「聞いて・ない!(笑)」
譜久村「結局聞いてない(笑)」
高橋「だから結局、聞いてないってこと、要するに」
生田「えー、聞いてますよぉ~」
鞘師「自分の世界を作ってる。」
高橋「そうなの」
生田「あー、まあ自分の世界は作ってます。」
高橋「ね。だから、きっとそのまんまだと思うから、そのまんまで居てください。」
鞘師「あーはっは」
生田「頑張ります。」
高橋「いや、頑張んなくていいよ。たぶん、生田は狙ってない方が面白いから。
生田「あ~、そうなんです……」
高橋「狙っちゃうと顔に出ちゃうじゃん。」
生田「そうなんですよぉ~!!(笑)」
高橋「自然で居ることで、たぶんウケると思う。」
生田「ありがとうございます(でゅふふ^^ みたいな言い方)」
高橋「自然体で。でも片隅に自分はサブリーダーだってことは置いておいといてもらって。」
生田「そうですね。ちょっと片隅に。0.3ぐらい置いときます。」
高橋「いや、もうちょっと。もうちょっと。たぶん4割ぐらい。」
生田「4割ぐらい。結構でしたね。」
高橋「あっは。9期、言っとくけど、一番上だからね。」
譜久村・鈴木「あっはっは」
生田「そうなんですよぉ~!」
高橋「しかも、9期の中でも2番目だから。」
生田「そうなんですよぉ」
高橋「そうですよ」
生田「あんまり見えないんですけど。」
高橋「いや、見えるよ(即答)」
全員「あはははは」
高橋「見えるよぉ~」
生田「見えますかぁ~?」
高橋「見えるよ」
譜久村「コンサートとかで、ラップとかしてたじゃないですか。どう思いました?見てて」
高橋「ラップ、かっこ良かったよ。」
鈴木「あら」
生田「いやいやいや(囁くような声で)」
譜久村「良かったじゃん」
高橋「そこは遠慮するんだね(笑)」
9期「あはははははは」
高橋「さっきから『そうなんですよ』って!(笑) 違うの、なんかここにね、モーニング娘。のCDをね、一杯置いてくれてるんだけど。さっきね、この生田かっこいいじゃんって、あのモーニング娘。の『カップリングコレクション』のね、『この生田かっこいいじゃん』って言ったら『そうなんですよ』って言ったの。
謙遜しろよー!って(笑)」
9期「あははは」
高橋「いやね、認めることも大事だからね。でも、ほんとにかっこいい。」
生田「ありがとうございます!」
全員「あっはっはっは」
鈴木「でも、ラップはそんなに…」※生田を察して
生田「ラップはそんなに」
高橋「そんなに自信ないんだ」
生田「やっぱあんまり歌ってなかったんで。あの、後半の方だったんですよ。ちょっと、前半の方がやっぱ歌ってるイメージが強くて。あのー、あんまりイメージが無いかなあみたいな。」
鞘師「えりぽんがラップしてるって?」
高橋「イメージとかじゃなくて、自分一生懸命頑張ればいいんだよ。」
生田「いやぁ頑張ったんですけどぉ……(おずおず)」
高橋「そう、昔からそうなんだよぉー!(笑)」
譜久村「出たぁ~!」
鈴木「出た!」
譜久村「懐かしい!」
高橋「『なんとかなんですけどぉ』みたいな、『でもぉ~』みたいな。『でもは要らない!』って言われて」
9期「あーっはっは」
生田「懐かしすぎるー」
鞘師「すごいね~」
高橋「生田は言い訳がましいの!昔から!」
生田「そうなんですよ。」
高橋「でも、ちょっとは無くなった?」
生田「無くなりましたよっ」
高橋「ウソつけぇ」←w
9期「あははははは」
高橋「どうなんですか? これ、周りに訊いた方がいいのかな。」
生田「無くなったっていうよりも、言われることも無くなったから、言うことも無くなった……方が大きいと思います。」
鈴木「たしかにね。」
高橋「そっかぁ。やっぱ上に上がってくにつれてさ、注意されることも少なくなってくるじゃん。だから、同期見ててね。目を光らせて。生田に言ってあげて。」
譜久村「そうだね。同期同士で見ていかないと。」
鞘師「そうですねえ。同期でも言わないかもね、最近、なんかあっても。」
生田「言わないね。」
鞘師「言ったほうがいいね。」
高橋「言ったほうがいいと思う。向上し合うっていうかさ、よくなった方がいいじゃん。ね、生田を成長させてあげて。」
全員「あはははは」
生田「えりだけ?えりだけ?(笑)」
高橋「放っといたらさ、大変なタイプだから。」
生田「なんでですかぁ?全然ですよ!?(笑)」
高橋「いや全然…そうなんだけど、なんか、スゴい成長したと思うよ。でももっと成長したいじゃん?」
生田「そうですねぇ」
高橋「そうでしょ?」
生田「がんばります……」
高橋「なんか自信ないとシュシュ~っとなるよね?」
生田「そうなんですよ。」
高橋「もうちょっとさ、ね、自信持って」
生田「自信持って……はい……夢を持……」
鈴木「どうした!?(笑)」
高橋「でも、生田聴いてくれてるんだよね?あたしの曲ね?」
生田「はい、聴いてます」
高橋「(プレーヤーに)入れてくれてるんだよね?」
自信持って 夢を持って 飛び立つから/高橋 愛(モーニング娘。)
- アーティスト: モーニング娘。
- 出版社/メーカー: zetima
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生田「聴いてます。」
高橋「ありがとうございます」
生田「卒業コンサートのやつ、ずっと聴いてます。」
高橋「ありがとうございます……新垣さんじゃないんです……」
全員「あはははは」
高橋「新垣さんのありつつーだよね!? ありつつ、あたしもプラスで入れてくれたんだよね?」
生田「『この恋を重ねて』とかも沢山聴いてます。」
鞘師「やっぱり新垣さんが居るから!(笑)」
譜久村・鈴木「あははは」
高橋「いや、でも、ありがとうございます。片隅に入れといてくれればいいです。」
なぜか「生田さん」と呼んでしまう高橋さん。ココらへんに彼女の本質が見え隠れしているような気がします。人間としてどこか変わってて面白く、それ自体が【作品】であるかのような。
過去にもそういった素材の力を原動力にモーニング娘。であり続けたメンバーが居ました。紺野や道重といった「劣等生キャラ」として、生田が並び称されるゆえんがここにあって、劣等生であってもその【存在感】が秀でている。だから、愛ちゃんは言っているのですよね、「自然体でいることで多分ウケると思う」と。むしろ自然体のまま狙わないことを説いてきました。
もしも今のタイミングでグループのイメージに寄せて丸くなってしまうと、おそらく丸くトリミングする時に削り落とした部分が生田の良さそのものであったりしそうで、それでは何の取り柄もないツルンとした人間になってしまう。そうではなくて、丸い表面に何かくっついている突起物のような物があって、それは一見すると邪魔で、周りの多くの人にイビツだと指をさされることもあるかもしれない。
でも、それがカッコ良いとかカッコ悪いとかじゃなくて、生田のモーニング娘。の中で秀でた【個性】なのだから大事にしなさいというメッセージだと感じました。
高橋愛から見た鞘師里保
譜久村「続いて、誰行きますか?」
鞘師「あ」
高橋「じゃあ、鞘師。そうですねえ……鞘師は、なんか、私が卒業した時に、鞘師がスゴい成長したっていうのを耳にしたんですよ。」
鞘師「やった」
生田「へぇ~」
譜久村「うふふ」
高橋「卒業っていうと、何かすごい一つ飛び抜けるイメージが、責任感が出てくるのか、さゆの卒業の時もそれが見えた。なんか武道館の時と違う。」※2014秋ツアー:9/30,10/1武道館、11/26道重卒コン
鞘師「わぁ」
高橋「私、武道館の時に観に行ったんだけど、この間の横浜アリーナとはなんかちょっと成長……なんか、あ、同じツアーでもこんなに違うんだ、と思って。なんかどっかでなんか自分の中で責任感が生まれるのかなあって思って。何か、あった?なんか心の中で。」
鞘師「なんか自分で自覚出来ないんですよ。なんか自分が思ってることが、自分で認識できなくって。でも、確かにツアーの期間はスゴい集中、何かしら集中してることがあって。そこは多分いいところなんですけど、それが終わると一気にその反動が来る……んですよ。でも、確かに集中してます。」
高橋「でも(メンバーの卒業など)きっかけが無くても、なんかこうやって成長できるといいなあってのは思う。だって9期なわけじゃん。」
9期「はい」
高橋「ね。9期で支えるから。何かこう、何かのきっかけっていうんじゃなくって、自分がこうきっかけを作るっていう……」
鞘師「あぁ~」
高橋「……ことで成長したらもっと良くなるんじゃないかなって。
鞘師「なるほど」
高橋「でも、向上心は持って欲しい。」
鞘師「分かりました。」
ここまでで、何かいよいよ差し迫った状況に置かれた時に急激に成長するスピードがとても早いことに触れ、それがスゴいと思うと伝えつつ、しかし逆に言えば、何か無いと成長が中休みをしてしまう可能性にも触れています。
ムラがあってはいけない、なぜなら「だって9期なわけじゃん。ね。9期で支えるから」。それは、一番上は常に後輩から見られる立場にあり、かつ、さっきの生田も言われていたように、見られて居ながら注意をされることは少なくなってしまい、だらしない場面が続けば、自分の評価が下がるのではなく、知らぬ間に周りの温度が下がっていく危険性も秘めているわけです。だからグループのために自分自身がしっかりしなければいけないし、そのために同期同士で注意をし合える関係であってほしいというアドバイスなんですね。
で、その後の会話で、なぜムラが出てしまうのか判明します。
譜久村「里保ちゃん、スゴいんです。寝坊も忘れ物も無くなったんです。」
高橋「それってスゴいこと……?」
鞘師「元が、元が逆にスゴかったんです。」
高橋「あ、そうなの? でもさあ、私がリーダーの時ってそんなんでもなかったよね。」
譜久村「見えないところで」
鞘師「たぶん、あの……」
高橋「隠してたの!?」
9期「あはははは」
鞘師「隠してたっていうか、その、なん、な、な、なんていうんですかね(慌)」
譜久村「9期で集合の日とか、そういうことだったのかなあ。」
高橋「選んで遅刻してたってこと?(笑)」
9期「あはははは」
生田「さすがっす!鞘師さん!(笑)」
高橋「ここはいいかなって思ってたの?」
鞘師「いやいやいや、全然全然そんなんじゃないです!もしかしたら寝る前のモチベーションとか、たぶん……」
高橋「それをいつも一定にしてください!(笑)」
鞘師「なるほど」
全員「あはははは」
鞘師「分かりました」
高橋「そうしたらもっと成長すると思います(笑)」
鞘師「分かりました」
あの愛ちゃんがキレイにオチをつけた、すごい(笑)
高橋愛から見た鈴木香音
まず、意外な関係性がリスナーに伝えられます。
譜久村「それでは、香音ちゃんを。」
鈴木「はーい」
高橋「鈴木は、よく連絡を取り合ったりしてて。」
鈴木「はい!そうですねえ。」
高橋「私がさ、モーニング娘。のコーディネートを組む時(『The Girls Live #31』2014.08.14放送 )があったじゃない?
鈴木「はいはいはいはい」
高橋「それでなんか悩んだ時も相談のってくれたりとかして。」
鈴木「なんかたぶん一番連絡してます、卒業された方と。」
高橋「あ、ホント?」
鈴木「…の中で一番連絡取り合ってます、高橋さんと。」
高橋「ねえ。……ねえとか言って。ありがとうございまーす(笑)」
鈴木「あはあはあは」
高橋「なんかこう、一番最近ご飯に行ったっていうのもあって、なんかスゴく距離が近い。」
鈴木「あら!嬉しい!めっちゃ嬉しい!」
生田「おおっ」
譜久村「おおっ」
鞘師「えぇ…」←w
高橋「なんかあったら鈴木に言っちゃうみたいな。」
9期「へぇ~」
鈴木「めっちゃ嬉しいです、今。」
かつて、「タカハシスターズ」なんて言われて、高橋愛・鈴木愛理・鞘師里保はプライベートでつながっているらしいなんて話もありましたけどね。鞘師よりも鈴木のほうが、つながる力や行動力が一枚上手ということでしょうか。
そして、彼女の強みはその行動力と関係がありました。
高橋「なんか今回のね、ご飯を食べることになったのも鈴木が実現してくれて。なんでだっけ?なんでご飯になったんだっけ?」
鈴木「えっと、あの、ラジオが高橋さんゲストですって決まった瞬間に『9期で わぁ~ って盛り上がってますよ』っていうのをお伝えしたら、『じゃあご飯』みたいな流れになりました。」
高橋「なんか、流れになったんだよね。そういうきっかけを作ってくれたりとか。でもなんかさあ、さっきご飯行ったりとかしてて、『なんかこう思って』『(後輩に)こう言っちゃうんです』『言っちゃうタイプだから』っていうのを聞いたりとかしてると、なんか…『鈴木!?(驚)』って思う。」
生田「え~」
鈴木「え~」
高橋「すごいなあって思う」
譜久村「は~」
高橋「なんかやっぱモーニング娘。にとっては、そういう人って絶対必要だし」
鈴木「あぁ」
譜久村「確かに…」
高橋「なんか、9期が入った時にその役目してたのが光井愛佳ちゃんだったじゃない。」
生田「そうですね。」
高橋「愛佳が……愛佳ってああいうタイプじゃないのね。どっちかっていうと、なんかこう、なんて言うの?ムードメーカーっていうか、ムードメーカーっていうか末っ子キャラというか、なんか、スゴい癒し系。」
生田「うん」
高橋「で、なんか愛佳がそういう風な姿を見ると、『あれっ!?』って思うのね。でもあの子なりにスゴく悩んでたし、それに対してスゴく泣いてたりもしてたの、実はね。」
鈴木「はい」
高橋「で、なんかこう、9期に対してどういう風に接していいかスゴい悩んでてっていうのを言ってくれた時に、『愛佳が思った通りにやっていいし、こうじゃないといけないみたいなのはないよ』みたいな感じで言ってた時に、なんかああいう風に自分でこう、やってたわけじゃん。」
鈴木「はい」
高橋「作ってったから、自分のこう立ち位置というか、9期に対して、なんかちょっと厳しい、嫌われてもいいから、モーニング娘。はこうだよってのを伝えなきゃいけないみたいな。だからなんか鈴木がなんか、ちょっと愛佳みたいな……」
鈴木「うふふふ」
高橋「責任感がスゴく強くって、あ、この子、なんか、結構、陰の、何て言うんだろう、やっぱそういう人って必要じゃん。いつの時代もいたのね。なんか、裏リーダー……裏方のリーダー……(笑)」
鈴木「あははは」
鞘師「分かります分かります」
高橋「なんか陰のリーダーみたいな。例えば私がリーダーの時はガキさんだったじゃん。」
9期「あぁ~」※ガキさんの名前が出てピンと来た模様。
高橋「ガキさんがまとめてくれたみたいな。表向きは私がリーダーだけど、だけどなんか支えてくれ……支えてくれた子はみんないたんだけど。だけど仕切ってくれてたみたいな。なんか今はどういう感じになってるかは、あんま、端からしか見てないけど、話してる感じだと、ああなんか軸になっていくんじゃないかなというのがあるから」
鈴木「ふぇ~」
生田「うぇ~」
高橋「モーニング娘。の、その、なんていうの? う~ん、なんていうんだろう、この歴史というか絶対忘れちゃいけないものっていうのをなんか伝えてくれる役割をしてくれてるなあっていう。」
譜久村・鞘師・鈴木「へぇ」
生田「めっちゃいい位置じゃん(嫉妬)」
譜久村「あっはっは」※生田の一言に譜久村失笑。
鈴木「まあ、えりちゃんに比べたらいいこと言ってもらった(笑)」
高橋「なんていうんだろう。なんか。なんていうんだろう、なんか、それをさあ、『言っちゃうから……』ってネガティブな感じだったから、そうじゃなくって、それはポジティブなことだし、絶対的に嫌われるかもしれないじゃん。その時はね。でも絶対に必要なことだし、後々、だって、絶対的に気づいてくれることだし、あの時鈴木さんに言われたからってことは絶対活きてくるから、これからもよろしくお願いします。」
鈴木「はい、頑張ります……あははは。」
高橋「フクちゃんを支えてあげてください。」
鈴木「はい。全員で支えます。あはは。」
お昼ごはんの場を用意した仕切り屋の一面があったという話を聞くに、愛ちゃんはかつての盟友の姿を重ねたのでしょうね。
ファンの間で伝説として語られるようになった「プラチナ期」という言葉、それを「エースで4番のリーダー高橋愛」が牽引した……そんな今からさかのぼって語られる過去の印象は、当時リアルタイムで見えた姿からちょっとずつ変形してかなり美化された部分もあるように思います。実際は、小粒で心配されながら見守られ、なかなか結果が見えない状況を我慢強く耐えた時代であり、それを牽引したのも高橋・新垣の「タンデム走行」だったと思うんですよね。
もうすでに、高橋愛が卒業のお手紙で「頼りないリーダーについて来てくれてありがとう」とメンバーに向けて読んでいたことを忘れかけてるかもしれない。またそれに対しわたしたちも「そういうリーダーでもいいんだよ…」と諭すような気持ちで聴いていたことも。
思い出仕上げの結果、離れたものになっている気がする。。
愛ちゃんの記憶の中で、今、後から高く評価されたあの頃を振り返り、当時を共に支えた新垣里沙という欠けがえのない存在を思い出した時、当時の姿が透けて見えてくる少女を前に、やがて頼り甲斐のある存在になるに違いないと確信を持って語ったのだと思います。
高橋愛から見た譜久村聖
高橋「フクちゃんもスゴく連絡とってて。」
鈴木「ほう」
生田「へえ」
高橋「フクちゃんは何かっていったらすっごい長い、すっごい長い連絡がくるのね。」
譜久村「そ……(照れ笑い)」
高橋「『今こういうことでこういう風に悩んでまして!』みたいな(体育会のように直立不動でかしこまった感じ)。フクちゃんは基本的にスゴく悩む子だから、スゴく悩みが多いのよ。」
生田・鈴木「うんうんうん」
高橋「でも、私は外に出た人間だし客観視ができるから、でも私もやっぱそうだったし、でも『それはこうでいいんだよ』っていうアドバイスをスゴいしてるんだけど、でも絶対みんなが通る道だし、ぶつかっても……ぶつかった方がやっぱ成長するじゃん? だから、そういう時期なんだなあと思って、スゴく微笑ましく見てるんですけど。」
鈴木「あはは」
譜久村「確かにぃ、高橋さんとのメールを見てみると、私めっちゃ長文だなあと思って(照)」
高橋「すっごい長いからぁ。あたし長文苦手なの!」(全員爆笑)
譜久村「やばーい(笑)」
高橋「だから、1日とか2日経って返事すること多くない? あたしスゴい考えるの。あたりバカだから(笑)」
9期「あははは」
鈴木「そんなことないですよ(笑)」
高橋「理解力があんまないから、スゴい呑み込んで、フクちゃん……こういうことで……こう返そう、と思って。やっぱさあ真剣に相談してくれるとさ、真剣に返さないとさ、『そんなんじゃない?』って軽くは言えないわけじゃん? だから、自分なりに崩して、だけど短くして(笑)。私、短い文をバーっと送るから。」
譜久村「はい(笑)」
鈴木「そうですよね(笑)」
譜久村「ぽんぽんぽーんって来ます(笑)」
高橋「そう。ぽんぽんぽーんって送るから(笑) だけどなんか、スゴく頼もしいなあって思って。リーダーになるかならないかみたいな…その、なるんだけど、なんて言うんだろう、発表されるのがギリギリだったじゃん。その時の悩みだったりとか、副リーダー?サブリーダーになった時の自分の立ち位置というか、どういう風に、『道重さんを支えなきゃいけないからどうしたらいいかスゴく悩んでるんです』みたいな。」
生田「へぇ~」
高橋「そう、『でも、9期が頑張んなきゃいけないんですっ!』みたいな。『いや、でも頼っていいんだよ』みたいな。やっぱさ、9期とさ、さゆ、6期メンバーってさ、すごく年齢……年齢じゃなくて、その、キャリア?キャリアの差があるっていうか。」
生田「はい」
高橋「何年ぐらい空いてた?」
生田「8年……7年ぐらい」
高橋「ぐらい空いてるからさ。なんかこう、ね、ちょっと頼っていいですよ……なんて言うんだろ。たぶん、空いてるからこそ頑張んなきゃって思っちゃったんだと思うんだよね。だから、それはそうじゃなくって、頼った方がさゆも嬉しいし、っていうことはスゴく言ったんだよね。」
譜久村「はい(笑)、うふふ。普通に、あのー、高い音程の歌が歌えなくて、どうしたらいいですかね?っていう質問を。」
高橋「ああ、あったね。」
譜久村「『泣いちゃうかも』の高い音程の歌が歌えなくて、『どうしたらいいですかね?』っていう質問とか、『泣いちゃうかも』の」
鞘師「ああ、『愛は~』」
譜久村「困ってたパートとかも高橋さんにしてました。」
高橋「全然アドバイスになってないんだけどね、あたし。」
鞘師「そんなことないです。」
譜久村「ホントに、ちょこちょこ私がする長文のメールに対してスゴい答えてくださるのがスゴい嬉しいですね。やっぱ9期にとっては、あの、9期ってすぐ入ってから先輩方がどんどん卒業されてっちゃったから、末っ子で居られる時期が少なかったんですよ。」
鈴木「そうだね。」
鞘師「10期も入ってきたからね。」
譜久村「だったり、マネージャーさんに沢山怒られてたから、訊いたりとか甘えたりするのがたぶん苦手なのかなっていう。9期全員、そういう性格になっちゃったのかなって思って。だからこそ、今日みたいに高橋さんと一緒にいる時に、ニヤニヤが止まらないという(笑)」
「リーダーになるかならないかみたいな」時期は、ファンも十中八九フクちゃんがリーダーになることは分かってました。そして、きっと本人も。もっと言えば、自分が同期の最年長であることに気づいた時から思い描いていたかもしれない。
ニュースで「最年少リーダー」という表現が出ますけど、全然そんな実感無いんですよね。リーダーって、きっと、年齢や経歴以上に、色んな経験を積んで色んなリーダーに触れてきた人が力を発揮すると思うんですよ。
フクちゃんは、単にエッグ出身というだけでなく、エルダークラブ卒業の2009年ハロコン *2 のDVDのエンドロールにクレジットされています(つまり、生のハロプロリーダー・中澤裕子を目撃している)。さらにさかのぼって、最も好きなコンサートDVDは、飯田圭織卒業の2005年のハロコン *3 だと言います。全てのリーダーを熱視線で見ているんですよね。
結果、ハロプロに陶酔してきた彼女の力は、早速「フクムラダッシュ」という形で現れました。あの行動が素晴らしかったのは、「高橋さんだったらどうするか考えた」と言いつつ、実は、論理的に「こうすべき」と考えて正解を導き出したのではなく、コンサートが好きな人間の感覚的に「こうしたい」と体が勝手に動いた結果、誰もが納得の大正解になったということです。
モーニング娘。のコンサートはこういうものだ、という感覚が体に染み付いていることを証明したのですよね。
沢山悩む様子を微笑ましく見ているという愛ちゃん。リーダーとして活躍を始めた彼女にアドバイスを送りつつ、すでに信頼おける存在であることを確信していて、しかし更なる飛躍の可能性を削ぐことのないよう多くを語らなかったように思います。
高橋愛から見るモーニング娘。'15
譜久村「はい。それでは最後に、モーニング娘。'15に期待することを是非高橋さんに」
高橋「これ全部言っちゃったんですけど。」
鈴木「あははは」
生田「そうですねぇ~、沢山言っていただいて。」
高橋「そうですよぉ、生田さぁ~ん。」
生田「あはは」
高橋「生田さん、期待してますよ?」
生田「いやぁ~、頑張ります。」
高橋「ホントにでも、期待しかない。」
生田「ホントですか?」
高橋「うん」
生田「あはぁ~」
高橋「そう。曲もカッコイイしさ、色んな人に愛されるモーニング娘。……'15か。数日後には。'15としてこれからも頑張っていただきたいと思います。」
9期「はい!ありがとうございます!」
高橋「期待してます!」
9期「頑張ります!!」
最近、世間一般で「期待してる」という言葉が「プレッシャー」という言葉に変換される傾向があります。
組織で活動した経験が無い学生さんが、例えば就職を控えていたりして、SNSに落ちてる事例で情報ばかり先に入れてしまったりするとそれが不安要素になるかもしれないですが、それは、その事例であたかもキーワードのように見える「期待してる」という言葉自体がいけないのではなく、その言葉を「信頼」に変換できるような関係性を築く時間や機会を持てないことが根本原因だったりします。
まったくの子供がある日突然ぽんっと入った大人の世界で見た高橋愛という人物は遥か遠い憧れの存在でした。ともに活動した期間はたった9ヶ月で、当時はソロ仕事なんかもあって、毎日のように一緒に居たというわけでもなかったのだけど、やがてスーっと遠くに離れてしまって、そこから実は見てくれているのだとじわじわ実感していくことも多かったと思うんです。
2011.11.13『高橋愛さんは少し離れたところから、モーニング娘。の9期メンバーの舞台あいさつを優しいまなざしで見守っていた。』
2012.03.09『「なんかあったら電話してね♪」 って言ったら …泣いちゃった』
2012.11.14『9期の成長した姿みると絶対泣いちゃうw』
2012.11.26『9期が お誕生日プレゼント持ってきてくれたの♡♡♡』
2014.02.13『直接1位おめでとう! って言えてよかった♡』
あれから自分たちなりに経験を重ね、段々と視界が開けてきて、そうして3年の時を経て、愛ちゃんにも同じ3年の時が流れた今、ラジオブースの中とは思えないリラックスした状況で話をして、そうしたら、あらためて 高橋愛だからこそ考えのおよぶ9期について再確認できました。
あの日漠然としていた憧れだったけれど、実はリーダーから新メンバーに対する理解もあったのだとあらためて知る貴重なセッションでした。これには更なる「信頼」の紐を結び直した思いであったはず。
これがお裾分けのような形でファンの耳に届けられたのは、とても幸せなことでした。
端的に放たれた「期待しかない」という一言は、後輩への信頼がすべて込められた愛のある後押し。
その厚い信頼を受けて、彼女たちは、武者震いせんばかりに「頑張ります!」と応えるのでした。
*1: モーニング娘。’14 / モーニング娘。’14カップリングコレクション2 | united lounge tokyo / graphic design office
*2:2009.02.01 Hello!Project 2009 Winter ~決定!ハロ☆プロアワード'09 エルダークラブ卒業記念スペシャル~
*3:2005.01.30 Hello!Project 2005 Winter オールスターズ大乱舞 ~A HAPPY NEW POWER! 飯田圭織 卒業スペシャル~