■

梨華ちゃんと柴ちゃん、五日目六日目。
延々と続くいたって普通の会話を聞いていて、段々と二人の性格が見えてきました。自分が思ったことを次から次へと話さないと気がすまない梨華ちゃんに対して、あくまでマイペースでそんな梨華ちゃんには動じず、時には鼻先であしらう柴ちゃん。
自己紹介には限界があります。自分で自分を検めた瞬間の姿しか説明することが出来ません。それは例えば、一人で甘い紅茶を入れながらストレッチをする姿を見て、一体どれだけの情報が得られたかということです。しかし、人に物事を話している姿を見せることは、口で直接自分について説明をしていなくても、第三者からは、大いに自己紹介の代わりになりえます。しかもそれは、自分が自分の特徴として意識している部分とそうでない部分とに関わらず、すべてを露わにするため、嘘偽りのない本当の姿が見えてくるのです。
一人から二人、しかも仲の良い二人に変えたのは、そんな狙いがあるのかもしれません。