『めざましテレビ』 特番予告にモーニング娘。が出るということ
「モーニング娘。が新春特番で壮大などっきりにかけられるらしい」
先月末、収録に参加したファンからの情報は瞬く間に駆け巡りました。ツイートで漏れ伝わる、企画に対する絶賛に次ぐ絶賛の声を聴くだけでとても楽しみにしていたのですが、その噂に違わぬ情報が明らかになりました。
披露されたのは、『めざましテレビ』で年末年始特番を紹介する情報コーナー。モーニング娘。がどっきり企画のターゲットとして出演する『新春豪華どっきり祭り!3時間半スペシャル!』の宣伝が、軽部アナから紹介されました。
富士山を臨むある合宿所で10人が枕を並べて寝ていると明け方に部屋の壁がすべて倒れ、壁の外に集まっていた大勢のファンを前に『LOVEマシーン』を歌う羽目に陥る……というもの。非常にインパクトある場面が盛り沢山です。
枕投げ
中高生らしさ。
かつて、つんく♂Pは「アイドルとして満足に学校にも行けない彼女たちに普通の青春を……」という理由から、ナインティナインの岡村さんに修学旅行に連れて行くことをオファーしました。それが、『めちゃ×2イケてるッ!』の岡女企画のはじまりです。
当時、実際によっすぃ〜がめちゃイケメンバーとの枕投げを実現していますが、それも今や昔。クイズ番組が成立しないほどおバカなメンバーを見かねたが、事務所はきちんと学校に通わせて更には通知表を提出させるなどの徹底管理をしています。(参考:『ダウンタウンDX』で見せたハロプロバラエティリーダーの面目躍如 - テレ娘。)
そんな事務所の庇護のもと平日日中に普通の学校生活を過ごしているメンバーの中高生らしさをもって今のモーニング娘。をお茶の間に印象付けるとともに、ファン目線からすれば中野でも武道館でも「ハロ!ステ」でも見られない貴重なオフショットを拝むことが出来ます。
寝起き
フラッシュ映像のように一瞬で過ぎた寝起きの表情が素晴らしかったです。
■ 石田亜佑美:先鋒
キレキレダンスを自負する彼女が人一倍の反射神経で異変に察知。
真っ先に敵を見つけたミーアキャットの様。以前、いろいろな場 *1 *2 で一番バッターを期待していたのですが、だーいしの突破力がここで活かされたのは面白いです。
■ 鈴木香音:非現実
起きた瞬間に「えっ!?」と発してすぐにふとんを被る動作は往年のアイドル寝起きドッキリの基本形ですが、彼女はそれを更に超えてきました。
香音ちゃん&ちゃーちゃん、テレビ初共演! URL
2013-12-27 11:21:29 via web
ぬいぐるみと一緒に眠る少女。びっくりしてちゃーちゃんに守ってもらう一瞬を予告映像がおさえたのです。
「アイドルが、笑顔を忘れたもっとダメ、ですよね。」 *3 と公言する女の子が、ピンクのパジャマを着て、愛用のぬいぐるみを抱えて寝ているだなんて、設定が出来過ぎたファンタジーの中のアイドルのように、現実では有り得ない存在です。ここを今田さんとヒガシノリに見つけてもらったら面白いんですけど。
■ 譜久村聖:現実
実は収録直後、参加したファンの中にちょっと口を滑らせた方がいて(ツイートはすぐに削除されましたが)メガネ姿がすごいという話を聞いてしまったので、その日のフクちゃんのブログの「暗号」を見て笑いをこらえていました。
もはやAAが文章の一部になってるね。ちょっとした暗号。/今日だっしー☆譜久村聖|モーニング娘。 Q期オフィシャルブログ URL「ヤダヤダヤダヤダィャダョー??クワッ (ノ`Д´)ノ-----└◎◎┘」
2013-12-01 09:54:25 via web
ですが、実際の映像はもっと訴えてくるものがありましたね。それは、何というか生々しいほど実生活が見える感じで。。
非現実的なくらいベタなアイドル像を見せた香音ちゃんとは対照的に、お嬢様からイメージされる天蓋付きベッドでふりふりのネグリジェ……みたいな作り物ではない、リアルなお嬢様アイドルはこうなんだという説得力を感じました。
先日、タモリさんがベタなドラマの演出についてこんなことを言ってました。
「いいトコの家族ってのは必ずフォークとナイフで洋食を食うじゃない。おかしいでしょ、あれ。オレ沢山いいトコの家庭知ってるけど、だいたい和食ですよ。全然リアルじゃないよ」 『笑っていいとも!』テレフォンショッキングにて(2013.12.18放送) |
いやしかし、かつて『ハロモニ。』で寝起きどっきりでフクちゃんが尊敬する亀ちゃんは、部屋に行ったら起きているというヌルい状況でメガネ姿を披露しました *4 が、こちらはケタ違いの威力ですね。
起き抜けのライブ
『LOVEマシーン Updated』のイントロがかかり銀テープが舞い観客の声援が渦巻く中、寝起き丸出しの声を絞る出すように「……あんたにゃ……もったいない……」と歌い出す鞘師とオロオロとマイクを見つけるメンバーたち。
この先の出来栄えはオンエアのお楽しみということになるのですが、完璧に歌えれば「今のモーニング娘。すげー」になりますし、グダグダになれば笑いと話題を呼びます。どう転んでも面白い結果になりそうです。
歌い始めた状態で「ファン500人の前に立たされた娘。たちは果たして寝起きで『LOVEマシーン』を歌うことが出来たのかー」という軽部アナのフリが入ったので、もしかしたらもう一枚仕掛けがかまされていそうな気もします。そしてスタジオでどんなやり取りになるのか。楽しみは尽きません。
邪推は無しで
この情報コーナーのはじめにこんなシーンがありました。
アイドルがまんまとどっきりにハメられた。実はこれこそが番組宣伝の一番のキモだったりします。
動画の情報がRTで回り始めるとまもなくTLに「この状況で気づかないはずがない……」という半ば唖然としたようなつぶやきが並びました。まとめサイトのコメント欄などでも多くのファンが議論する様子が見受けられました。
情報強者の逞しい分析はよく分かります。分かりますけど、この番組は小さい子供からおじいちゃんおばあちゃんまでお茶の間でおせちを囲んでゆる〜く見る娯楽バラエティです。そんな番組でモーニング娘。が受け入れられようとしている楽しみをそっちのけで、その議論って必要なのかなあと複雑な気持ちになりました。
最近、手品を披露の番組で「どんなタネになってるか?」という演出が増えました。本来は目の前の有り得ないことに驚いたりワクワクするのが手品の本質で、スゴいと思うことでその手品師の腕が注目されるんですよね。タネが本題になると、極端な話、手品師は誰でも良いので魅力が伝わりづらく、愛着が湧かないので繰り返し出演することでマンネリ化し、一発屋となっていく人は増えました。
同様に、どっきりの本質は驚きぶりや思いがけない行動を見ることが楽しいわけで、そこからそのパーソナリティに惹かれていきます。「口パクじゃないから上手い」と評価する人が歌の印象をまったく持てないように、「どっきりに気付いてるかどうか」を見てしまうと演者の魅力に気付かずに終わります。それでも分析好きの方が個人的に楽しむのは構いませんが、それを番組ハッシュ付きでツイートして、これからモーニング娘。の人間の魅力に気づこうとする人の興味をそらすようなことが無いといいんだけど、、と気になってしまいました。
幸い収録に参加した方々からは、そんな事よりもとにかく楽しいという声が聞かれます。
娘。のどっきり寝起き、ステージ上のプレハブとか怪しすぎるだろ!10人一緒に雑魚寝とかおかしいやろ!メンバー気づいてない振りでしょ?とかタイムラインに流れてるけど、現場にいたオレはあれガチだと信じてるから。マジで放送楽しみにしていいよ。
一年の中でも最も家族が集まるタイミングですから、団らんの中で細かいところを覗き込むのではなく、面白い状況に置かれた10人の立ち姿を楽しみたいですね。
特番予告にモーニング娘。が出るということ
録画を見てまず思ったのは、「あー、マルゼに帰ってきた……」 ということでした。
金曜日の7時台後半に配置されているコーナー「マルゼの花道」は、週末に是非見て欲しい「是非モノ(→マルゼ)」のエンタメ情報を紹介する、10年以上続くおなじみのコーナーです。
過去には、『めちゃイケ』の岡女企画や『緊急!中澤スペシャル モーニング娘。のサルティンバンコにつれてって!!』『13人がかりのクリスマスSP』『FNS27時間テレビ みんなのうた』など、テレビバラエティに引っ張りダコだったモーニング娘。が番組の看板を飾る度、当たり前のようにこのコーナーで紹介されてきました。
このコーナーで扱われるのは、当然ながらフジテレビが力を入れて制作したゴールデン番組の目玉企画。つまり、今、モーニング娘。がフジテレビ制作班の是非観てもらいたいコンテンツにキャスティングされるタレントとして帰ってきたことを表してると言っても過言ではないと思うんです。
2004年の春、この「マルゼの花道」はコーナーの常連であったモーニング娘。メンバーをメインキャストに据えて、『メディア見たもん勝ち!ゼルマ』というスピンオフ番組を構えます。
司会はもちろん「軽部兄さん」と呼ばれていた頃の軽部アナ。なっちやハロプロメンバーが司会をつとめ、ガッタスの試合の生中継を入れたりデビュー当時のBerryz工房の冒険映画の紹介があったり、多様化するハロプロの様子が分かる番組でした。が、しかし、人気メンバーが次々に卒業していく状況にあった当時のモーニング娘。の人気の具合と同様 番組の人気も振るわず、1年で終了します。そして番組終了の翌月に矢口が脱退すると、当時のツアー最終日の梨華ちゃん卒業と同時に伝えられた小春加入のニュースはこれまでの5期や6期の加入と比べ物にならないくらい小さな扱いに変わっていました。
だから、「軽部兄さん」はモーニング娘。がテレビアイドルだった頃の名残で、「マルゼの花道」はハロプロのテレビでの活躍ぶりを映し出すような場所、みたいな思いがあるんですよね。
さて、今回のコーナーの前後を見ていると、元日のさんまと三日の嵐に挟まれて二日のこの番組が紹介されており、その中でもテレビ出演本数上位のハリセンボンや菊地亜美よりも時間を割いた目玉企画の扱いです。特番の番宣で注目される場所に戻ってきました。
「'14」のテレビデビュー戦でもあるとともに、アイドルを知らない人たちも大勢いるテレビの世界でモーニング娘。が再び求められる存在にカムバックできるかどうかという大きな試金石になることは間違いないと思います。
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11/28武道館公演の終演後インタビューで、道重リーダーはこんなことを言っています。
「今年は本当にモーニング娘。として第二のスタートラインに立てたかなと思うので、そういう意味ではチャンスを掴めたと思うんですけど、チャンスを掴めたらまたもっと大きなチャンスが来ると思うので、それをしっかり逃さないようにしたいなと思います。」(『ハロー!SATOYAMAライフ』2013.12.20放送)
どっきりの収録が行われたのは、この武道館公演の翌日でした。いきなり訪れた「もっと大きなチャンス」に10人がどんな活躍を見せてくれるか、お正月を楽しみに待ちたいと思います。
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最後に、リーダーから見どころを一言で。
ステージではフォーメーションダンスですが、テレビの中ではこの無邪気さが一番の武器になるかもしれません。