テレ娘。

「テレビで見かけた娘。さんたち」 略して、テレ娘。 テレビ好きの目線から、画面に映った娘。さんたちについて触れます。

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後継者

後継者 - テレ娘。
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先日、ひっそりとあるニュースが流れました。


アン・ルイス引退、美勇士が明かす:芸能:スポーツ報知


これを聞いて思ったことは

これから『六本木心中』はどこに行ってしまうのだろう

ということ。


公式的な発表ではないけれど、たぶんアンルイスが歌う『六本木心中』の生歌は二度と聴くことができません。
きっとこれからカバーはなされていくのだろうけれども、アンルイスのノリや歌い方、そしてなにより彼女のこだわりを完全に知る者は −息子の美勇士はいるけど故人から直接教わったという女性は− 誰も居ない。


70〜90年代、21世紀の今の世に影響を与える様々なオリジナル曲が生まれました。その【記録】は、レコード・カセット・LD・CD・DVD・VTRと音声も映像もびっくりするくらい残っています。けれど、【記憶】はびっくりするくらい継承されていないですよね。
今時どこかのblogにupされてるだろうと思いきや、名の知れたアーティストであっても当時の活躍ぶりが解説されていないなんてことはザラ。


そんな内の大きな一人がアンルイスだったと思うのです。


今どきの芸事はよろず「弟子」という概念が希薄になりました。
例えば、お笑いの世界は大手の事務所が運営しているスクールで一定のスキルを身につけるのが一般的。ダンス&ボーカルのアクターズスクールも全国各地にあるし、子役の養成所も習い事のように存在する。憧れのスターがいたとしても、その人から直接吸収する機会が無くなっているんですよね。これは同時に継承の場も無くなっているんです。
身の回りで、母親から娘に伝えてられてきた家庭料理でも、今どきは一般にもっと美味しい味付けを好んだ娘がレシピサイトを探して自分のものにしていたりする。つまり、この瞬間にその家の「母親の味」は死んでしまうわけです。


誰かの歌をずっと聴いていたい。叶わないなら、引き継いで歌うアーティストに出てきて欲しい。なんてことは、ファンのエゴだとは思います。
表舞台へのスムーズなデビューとか売り込みなんかの効率を考えたり、アーティストがそれぞれ自律的に存在することを是とする社会の中で、「文化・芸術の継承」みたいな大きなテーマに乗せると、とてももったいないことがあるんじゃないかと思うんですよね。




◆◆◆


言いたい事は別にあります。

つんく♂は今後もひとりで今の仕事をまかなっていくのだろうか

ということ。


今までで以上に楽曲の新陳代謝を上げているように見受けられる近年、そしてハロプロ内の各ユニットが押し並べて好調な正に今、マネジメントの観点で考えると とても大事な新曲リリースを彼ひとりの産みの力に委ねるってちょっと怖くはないか。
まあ正直、ハローのファンであると同時につんく♂楽曲のファンであるわたしたちにとっては、分担制で曲がリリースされるくらいなら彼と心中したほうが良いという思いもあります。しかし気になるのは、他のバラエティ仕事もつんく♂自身でまかなうシーンを多く見かけることです。
例えば、些細な話だけど、FC向けDVDの「つん倶楽部」なんぞ、彼と同じ目線で回せる誰かに任せられる状況を作ってみてはどうかと。DVDマガジンなんぞで大袈裟な……と思われるかもしれないが、つんく♂の十八番である「女の子の気持ち」を瞬時につかめる感性を、こういう些細な場から育成して、追い追いアップフロント内の【継承】につなげてみてはどうかと思うのです。


モーニング娘。に関しては つんく♂の分身でもあるので専属で良いでしょう。
でも、中学生以下のメンバーで構成される研修生出身ユニットに今の時代にマッチした感性のプロデュースを施す上で、新しい発想を持った【弟子】に委ねるような体制をとってみても良いんじゃないかなあと思うのだけど。